考察「ET-20Xについて」

2014年1月19日

　数ヶ月前に知人ら4名と東京から伊豆まで車でのツーリングに行き、
その道中で特小無線を運用してみるという試みを行っていました。
自分はEXPLORER ET-20Xの片割れを、
一人にはET-20Xのもう片割れ。
さらにicomの4100とケンウッドのUBZ-LM20を持ってきた知人は
その片方を最後の一人にレンタル。
　以下、それぞれをET-20X・4100・LM20と表記します。

　東京料金所からスタートして
沼津ICまで40分を切る程度の時間でしたが、
やはり高速走行中に限らず様々な場面で不具合が発見されました。

・会話が困難
　　今回インカムを使った自分とLM20は
　フリーハンドで余裕の通話が行えましたが、
　VOX機能を説明していなかったET-20Xと4100では
　時折入ってくる受信音声を聞くのみで返信もままならなかったとのこと。
　出している速度が速度ですから‥ね。

・音声がぶつ切りになる
　　4100-LM20間ではそれほどひどくなかったそうですが
　LM20（4100）-ET-20X間、あるいはET-20X同士では
　音声の送受信が途切れたり、音声そのものを受信できなかったりと
　かなり散々な結果でした。
　各車両の順序を入れ替えての検証でしたので
　距離減衰はこの際考えない方向で。

・ET-20Xに致命的欠陥
　　どうやら送信ボタンを押してから一呼吸ほどの間があくようで
　「次のPAで休もう」という問いかけに対し
　「‥PAで休もう」と聞こえたそうです。
　ET-20Xからの送信で4100やLM20でそう聞こえたのに対し
　真後ろについていた同じET-20Xは
　「ノイズだらけで聞こえなかった」と。
　　発振回路か増幅回路の出力が足りないんですかね。
　これは受信時でも同じで、4100やLM20からの送信も
　「‥の車に注意」といった聞こえ方でした。

・インカムを選ぶET-20X
　　付属のイヤホンインカムならまだ良いのですが
　COMTACⅡレプリカヘッドセットを使う場合、
　Z-TACTICALのコネクタなどで中継をしてやる必要があります。
　この際、通常の2.5mm/3.5mmピンジャックよりもピン長が違うようで
　（どうも個体差が激しいようです‥）
　　ET-20X本体側の加工はせず、別途中継コネクタを設けてやる必要が
　あるものもみられます。
　2個で一組のうち片方はZ-TACTICALコネクタの直差しで反応しましたが
　もう片方は‥（察し）

・背に腹は代えられないというが
　　Amazonやドンキで1万円を切る上に2個でセットになっているということは
　実質5000円もしないで送受信が可能な20ch特小。
　こう表現すればまさにお買い得なのですが、そこにはやはり罠があるものです。
　　今回、チームメンバーの装備更新に伴い自分も特小の更新を行ったのですが
　icomの4300を使うとET-20Xには戻れませんね。
　エアコッキングライフルと電動ガンくらいの違いはあるとみて良いでしょう。
　
　　無線機を導入するチーム・あるいは個人とはその前提条件として
　1.ある程度の個人装備が整っている
　2.常時使用すると言い切れないモノに投資出来るだけの余力がある
　3.通話を行う相手がいる（あるいは現地で知り合える）
　といった要素があるかとおもうのですが、
　お一人様で電動ガン+多弾マグ1本だけという人が
　果たして無線機に手を出すかとなると、間違いなく是をいうかどうか‥。
　　それなりの贅沢品とも言える要素になる以上は
　多少見栄を切ってでも国産品を購入する方が良いかもしれません。

・ET-20Xはゴミか？
　　確かに国産品のそれと比べると格段に劣る特小ではありますが、
　「全く使えない」というものではありません。
　本当の意味で全く使えないのは海外系無線機で、
　国内では所有しているだけでもアウトになる製品というモノも
　あったりします。
　　問題なのはそういった製品があたかも「何100mも電波が飛ぶ」とか
　「サバゲやレジャーに最適」といった謳い文句で市場に出ていることであり、
　画面の片隅に申し訳程度の「海外向けに付日本では云々」と
　記載されていること。
　このあたりは電波法が絡んでいるので
　詳しくはそちらで‥。
　

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