メインアーム: M60VN
トイガンチューンに対する思案と考察・その2
パワーが上がれば当然次は駆動系にくる
つまり ミッションでありデフであり
プロペラシャフト ドライブシャフト
そしてクラッチだ
パワーが上がればとりあえず強化クラッチだ
当然のお約束だ
だが あんまりスゲーの入れてガンガン踏んでいくと
今度はミッションやデフがイく
その次はペラやドライブシャフト
パワーを上げることによってそれまでのバランスは崩れる
次から次へと金と時間をかけて強化していく
そしてまた 一つ上でバランスをとる
しかし そんな最高の状態も長くは続かない
サスもEgも ボディさえも
すべてのパーツは消耗品だからナ
クルマは消耗品のカタマリだ
そして チューンドカーはノーマルカーの倍以上の速さで消耗してゆく
そーゆうクルマなんだ
──それが 速さを求めるというコトなんだ
講談社コミックス「湾岸Midnight」より。
この漫画はただの首都高最高速漫画というだけでなく、
そこに携わった人々の「犠牲」や「覚悟」といった人間ドラマも含まれており、
「誰々より速いからイチバンね」という内容で収まっているものではありません。
ところどころに織り交ぜられた、通称「楠ポエム」には
トイガンチューンにも当てはめられる‥と言うよりも
何かしらの製品に手を加えることのリスクや結果を
考えさせられるものでもあるのではないでしょうか。
話が逸れていますね。
漫画より抜き出したこの楠ポエムでは
パワーアップに対するリスクの指摘が挙げられています。
自動車関係に明るい訳ではないので少々割愛しますが、
「たったひとつの部品を交換したからといって絶対的な効果は得られない」こと、
「交換した部品を正しく機能させるためには周辺の部品も交換しなければならなくなる」こと、
そして何より「それらは永遠に続くものではない」ということ。
例を挙げます。
東京マルイ製の電動ガンは、店で買って箱出しそのままでも
サバゲでは十分に遊べるレベルの製品だと断言できます。
それが悪名高いPSG-1であろうと、UZIであろうと。
ところが年を経る度、ゲームで使う度に性能は確実に落ち込み
「首が軋む」「射程が落ちる」「精度が悪くなる」といった現象が出てきます。
いわゆる「ヘタリ」という状態です。
これを元の性能に戻すために、汚れを取り除いたり給油を施したりして
元来の状態へと戻すわけですが、ギアは磨り減りホップパッキンは歪み
もしかしたらピストンやシリンダーも痛いんでいるかもしれない。
この時「今まで発射サイクルが遅い感じがするからハイサイクルギアを組もう」と思い
ギア交換だけを済ませたとしましょう。
ギア交換と同時に行った分解整備によって、ぷちハイサイになったメカボックスは
それまでと同じような性能劣化の線を描くでしょうか?
ノーマルで使っていた半年間と何らかのてを加えてからの半年間、
再び分解整備となった時に同じようなヘタリ具合になるでしょうか?
おそらく同じにはならず、シリンダーの歯が異様に削れていたり
モーターがくたびれていたりするかと思われます。
そして、それらを格納しているメカボックスは思いもよらない劣化をしていることでしょう。
あくまでノーマル前提のモーターやピストン&シリンダーに
高速回転を強要するギアセットが組まれたのですから、
負荷が寄らない筈がないのです。
ではモーターとピストン&シリンダーを交換し、2度目の分解整備を終えたとして
今度はまた半年間同じような劣化具合になるでしょうか?
当然ながらこれは最初から高精度かつ(メーカーが認めている・いないにかかわらず)
高耐久性とチューンの受け幅が広い国産製品ならともかくとして、
A&KやCYMAのスポーツラインといった格安電動ガンで極端なチューンを施したら
どうなるでしょう。
‥と思って実際にCYMA AK47R.I.S(0.2g弾で85m/s)にて以下の極端な実験を行いました。
付属の600連Mgを撃ち切るまでの一発勝負ですので、
場合によっては不正確な数値と結果になっているかも知れません。
・モーターをAPI製ハイトルクモーターにしてみる
──バッテリーの異常発熱とギアの削れが目視レベルで確認されました。(87m/s)
・高電圧バッテリー(12V・2500mA)で動作させる
──机モーターが焼き切れ、ピニオンギアが削れました。(84m/s)
・M60のフルサイズシリンダとピストンに交換してみる
ある程度の初速増加は見られますが、バレル長不足のせいか頭打ちになりました。(89m/s)
・M60 VNのバレルに交換する
──長すぎてバレル内で初速低下を起こし始めたようです。(82m/s)
・SHS製ハイトルクギアに交換してみる
──初速は変わりませんが発射サイクルは落ちました(84m/s)
・メインスプリングをM190スプリングに交換する
──20発程撃ったところで机モーターが焼き切れ、バッテリーも容量不足からか
モーター交換(再び机モーター)してもまともに発射されませんでした(測定不可能)
・上記メニューをすべて同時に行ってみる
──数十発目で異音が発生し、分解した所メカボックスが破断していました(測定不可能)
以上のことから、パワーアップは周囲の部品と密接に関係し
寿命とトレードオフ(二次関数的に反比例する)といえるかと思われます。
実験用にCYMA製品を用いたのは国産メカボが手持ちの空きで無かったことと、
本電動ガンが分解/再組立に容易だったからで特に意味はありません。
ともあれ、無為なチューンドや無知な分解整備は
エアソフトガンの寿命を大幅に縮めるものだということが
実証できたかと思われます。
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コメント 5
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LCT
新着から 初めまして
財力にも驚くけどそれ以前に目を引くのが結果ですね
やっぱり最終的にメカボ破断しちゃいますね
強烈な負荷がかかってくればそれは当然ではありますけど
初速あげたい、それだけで内部を弄るって言うのもかなり危ない、ということの立証に繋がってますからこういう実験結果がどんどん出回って欲しいと切に願うばかりです
あき(カマンベール)
メカボ破断ですか・・・・
それでもよく強烈なスプリングとかに耐えたものですね・・・・
過度なチューンは禁物ですね。
うちの娘達もある程度余裕を持ってあげて(というかそれ以上上げる技術がないんですが)いてよかったです。
定期的に診てあげることも大切ですね。
fxstc98
再びコメントさせて頂きます。
このような実験をされた方はいないかと。
自分的には、あまりこちら方面の雑誌もブログ等も見ないので。
このような検証は、個人より雑誌等にて行うべきかと。(チューンアップの記事&パーツのCM)
個人の責任において、自分でも弄っておりますが(やはり初速を上げたり、サイクルを上げたり)無理をすればどこかに支障が出るものですね。
チューン=調整(各部の)という感じが、一番ですかね。
市川 真夜
>ニシさん
財力はありません(断言)、
あるのはA&KスッポーツラインM4シリーズのフレーム以上に歪んだ愛情と
斜め下へと突っ走る暴走(妄想)癖のみです。
メカボの破断は実の所予想通りだったので、
中古のマルイメカボで復活(ザオラル)しました。
軸受も歪んでしまったのでこれまたマルイ中古を組んだ結果、
初速が89m/sをコンスタントに叩きだす不思議中華AKに‥
どういうことなの‥
>カマンベールさん
M190スプリングはまだ「強め」な方で、自分のデッドストック品には
「M320」なるトンデモスプリングがあります(パッケージが無いのですが)。
流石にこれを引けるバッテリーやモーターが無いのでお蔵入りです(笑)。
>fxstc98さん
こういう実験や検証はメーカーの思惑やスポンサーの意向もあって
まず雑誌に載る事は無いかと思われます。
何せ、この実験中でも初速が法規制を上回った数値を
出し得るセッティングでもあるので
モラル的にもトイガンの販売上でもデメリットでしかないだろうな、と。
勿論、チューンアップ(改造)やチューニング(調整)をしていく上で
必ずぶつかる壁ではありますが‥。
市川 真夜
>ワカメ一号さん
国内品を使う限りでは余程の事がない限り
ノーマル箱出しでも十分ですしね。
しかしながら、世の流れは
パワー規制=発射サイクル(弾幕)勝負というような風潮で
「そのハイサイカスタムは本当に大丈夫?」と聞きたくなるような
怪しいチューンも出回っているようですから‥。
耐久性は本当に「見えない」ですからね。
いつ壊れるか不安なチューンというのもいかがなものかと。