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 七面鳥がエアガン、特に狙撃銃系列に求めるのは、
・長射程
・高い集弾性
の2点になります。
 これを首根っこ弱々で悪名高きPSG-1で達成しようと思うから四苦八苦するわけですが、前から言ってますが、銃自体の弱点はさておいて物理現象として射程と集弾性を分解すると、これらは非常に単純な要素だけで説明出来ます。

 まず射程。
 ノンホップであれば、射程を決める要素は銃口初速と発射角度(仰角)だけです。
 つまり、ある仰角をもって、ある初速で発射されたBB弾は、発射された瞬間に自分が持っている運動エネルギーを空気抵抗で徐々に減殺され、また、重力加速度によってその弾道を徐々に下向きに変えつつ、空気抵抗によって運動エネルギーを失うまで進み続ける、失った時点が射程距離、とこういうわけです(ただし、普通は運動エネルギーを失いきる前に地面に落ちるようですね、発射角45度とかで撃ちませんものね)。
 ここで忘れがちなのは、どんな仰角で発射したとしても、銃口を出た後のBB弾には、垂直方向に関しては常に重力加速度だけが作用している、つまり銃口を出た瞬間から常に自由落下している、と言う事です。
「仰角付けて撃てば上に飛ぶじゃねーか」と思いましょうが、これは発射の瞬間のベクトルがそっちに向いているだけの話で、発射の瞬間から弾道は下方向に曲がり続けます。

 ところが、ホップが効いていると話が違ってきます。
 ホップ回転がある事により、前進する(ここ重要)BB弾に揚力が発生し、揚力の大きさによってはBB弾は重力加速度に打ち勝って弾道を上に曲げたりするわけです。
 このおかげで、ホップのある銃から発射されたBB弾は、地面に落ちるまでに一度より高く舞い上がることが可能になり、結果として地面に落ちるまでの時間的空間的余裕が増え、これによって射程が伸びる、と、こういう理屈だと言えます。

 従って、射程を伸ばしたいなら、ホップ回転をできるだけ高回転に、銃口初速をできるだけ速く、という事になります。その結果として得られる山なり弾道が使いやすいかどうかはさておきます。

※以下現在感じてる疑問点:
上記の理屈により、同一初速、同一ホップ回転数で同一重量のBB弾を発射した場合、弾道は一定のはずです。が、レビュー記事を見てると、低伸する弾道だったり、早くに山なりになって落ちる弾道だったり……ホップ回転の減衰が銃やチューンによって違うのかと思えてしまう記事を散見します。射手によって見え方感じ方が違うせいが強いと思いますが、なんとか定量的な話がしたいな~と……物理現象なのでホップ回転も空気の粘性に引っ張られて規則性のある減衰をするはずなので、初期回転数が決まれば弾道も計算出来るはずなのですが……つかシミュレーションしてる方はいっぱい居ますね。でもレビューの実車結果がそれと必ずしも一致しないように思われるのが解せない……弾速とホップ回転の間に最適値があって、それ以外の関係では揚力が非線形に変化するのか?

 次に、集弾性。
 これは、銃口初速とホップ回転が常に不変であると仮定した場合、銃口を出る瞬間のBB弾の方向がどれだけ安定しているかと言うことで、射手由来の不安定要因、発射時の銃の振動要因、および純粋にバレルの長さや内径等による発射方向の安定性の大きく三要因に分けて考えられるかと思います。
 この中で、射手要因はもう鍛えるしかなく、銃要因はエアコキボルトアクション最高!に行き着くかと思います(GBBでも電動でもやりようで充分戦えるレベルには出来ると思ってますが)。
 で、バレル要因は、こりゃもうわからんね、というのが正直なところです。タイトもルーズも、サイクロンも、それぞれ理屈は理に適ってる気がしますし……発射方式やホップ機構との組み合わせで結果が変わるところも大きいようなので……マルイの純正バレルだって決して劣っているとは思えないし。というか七面鳥は純正で少なくとも今は充分と思ってます。

 というわけで、何が言いたかったかというと、要するに七面鳥の求める方向性としては、規制値内でとにかく初速とホップ回転の最適値(≒最大値?)を求める方向の調整が必要という事を再確認した次第です。
 その意味で、手持ちのVSR-10リアルショックはあくまでベンチマーク素材(リアルショックという時点で既に「振動要因の集弾性」でディスアドバンテージですが、これはストイックな性能最優先よりも楽しさを優先する方向性という事で)、とりあえずこれと同等以上の性能は出せている第一の愛銃PSG-1ですが、まだ上が目指せるはず。ならば、VSR-10は定番とされるチャンバ周りのパーツ構成、具体的にはホップパッキンと押しゴム、必要ならアーム交換のライトチューンで0.20g~0.28gまで幅広く対応可能な範囲での使い易い性能向上を目指し、PSG-1は0.28g特化でその上を目指す、FA-MASは射程と精度は純正VSR-10同等で連射が効く銃を、SPASは射程と精度は純正のままで充分、近距離戦で使って楽しい銃を目指す、そんな使い分けで今後楽しんでいこうかと、再決意するものであります。

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コメント 5

これ以上ありません。

gale

gale

新着から失礼しますー

>レビューの実車結果がそれと必ずしも一致しないように思われるのが解せない

ここに関しては初速とは別の要因が重なるからだと思います…主に
・バレル内部に排出されたエアの圧力や量の差
・ホップパッキンや押しゴムの設置の仕方(チャンバー違いやホップ窓の差含)
・バレル出口で起こる乱流
・気象条件

地表付近でどれほど変化があるか知りませんが、高湿度や気温が低いと空気の密度が高くなる(重くなる)傾向ですので
例え同じ初速を出せてもBB弾を押し出す力のほうに変化と共に、出た後の減衰にも影響が起こる可能性があります
ここはガスガンが実は寒さ強い点て、ガス温度が一定であれば押し出す力も一定なので、飛翔中の減衰のみとなり差も小さくなると思われます

私の中で飛距離を出す結論としては
(適度な)高圧エアと可能な限り長いホップ面でBB弾を飛ばす手法です
いわゆる流速ですが、ルーズバレルにしない方がマージンが取れない分最終的に良い結果になると思っています
逆に純正のようにゆったりエアを出して飛ばす場合はシリンダーとバレルがマッチしていると飛距離としても限界点に近いはずです

PSG1は集弾性を上げる事はサード品や加工で十分できると思いますが、飛距離を出すとなるとホップ面増に対してシリンダーとピストン重量・スプリングのバランスで組む…
場合によってはバレルを変えたり加速シリンダー化させる等もあって、PSG1のため危険度の高い冒険が待ち構えていそうです…

二式大型七面鳥

二式大型七面鳥

>gale様

>ここに関しては初速とは別の要因が重なるからだと思います…
個人的には、文章中にも書きましたが、1:レビュアーの視点および表現がまちまち 2:それを受け止める読者の理解もまちまち が最大の原因だと思ってます(ので定量化したい、職業病です)が、それを排した上で、ご指摘のエア圧や量、乱流と気象条件はあり得ると思います(ホップ方式は、そそれによる差異を無視して回転数のみに着目したモデルとして考えてます。ので、現実にはホップ方式の影響は多大でありますな)。実銃の世界ですら、クラウンの角度や形状で弾道が影響されるのですから……気象も、七面鳥も詳細わかってませんが、湿度や、標的までの途中の空気の状態に左右される事は理解出来ます。
ガスガンに関しても同意であります。ガスの気化膨張を利用するので当然ガスは乾燥しており、ピストンから周辺雰囲気と同じ密度・湿度の空気を押し出すのとは膨張速度も違うでしょうから。
結論として、長いホップ面で飛ばす方向性も同意であります。あとは、あえて機関部に手を入れずにどこまで行けるか。精度とコストとユーザビリティのバランス点を探ってみるつもりです。

Nazgul

Nazgul

>同一初速、同一ホップ回転数で同一重量のBB弾を発射した場合、弾道は一定のはずです。
ここに関してはその通りだと思います。初速のばらつきは着弾点距離に
直結しますし、当然上昇する高さにも影響が出ます。
>発射時の銃の振動要因、および純粋にバレルの長さや内径等による発射方向の安定性
私は一つを除外する為にマシンレストとオモチャで弾速が遅い影響を最低限
にする為に免振保持しています。そして振動要因は剛性アップで対策、
発射方向の安定性に関しては一つ結論が出ていて、外周流速が速い方が
BB弾の上昇が遅く始まる事が着弾点プロットから分かっています。
クレイジージェットと箱出しバレルでは(他の条件は全て揃える)
同じHOP加圧でも同じ距離位置での上昇量が異なり、箱出しバレルが
早く上昇しますが下降もはやいです。これは他が同一条件の為
初速が箱出しバレルのほうが下がってしまう事に起因すると考察
しています。T-N.T.バレルは後半ルーズですが箱出しバレルよりも
上昇が遅く(距離が増えてから)始まります。
同一初速で行っていませんので、その時どうなるかは分かりませんが
T-N.T.バレルはエネルギー効率が良いので好んで使っています。

galeさんの持論は、私が重量弾で(0.29g以上)ARES Striker
+クレイジージェット(固定HOP)、VSRシリンダータイプの銃
+T-N.T.バレルorクレイジージェットで(ただし、Wスプリング式、
固定HOPでの話ですが)実証できているので異論なし、
VFCのGBB(箱出しでもタイトバレル)でもエアー圧一定であれば
軽くボルトアクションの精度はレンジを伸ばしても再現できています。
これについても同様です。結果は出ています。

PSG-1はチームにも使用者がいますので、結果を楽しみにしている
メンバーがいると思いますよ。

二式大型七面鳥

二式大型七面鳥

>Nazgul様
おはようございます。
今、コメントを読ませていただいて、疑問の回答の一つを得ました。
>BB弾の上昇が遅く始まる事
この現象が疑問だった訳ですが、つまるところ、発射時、狙点に対して銃身の俯角を取れるため、発射初期の弾道が比較の箱出しより若干下に振れ、その結果として上昇が遅く見える(重心の延長線に対する上昇は、物理的には必ず銃口出た瞬間から始まる。発射初期の上下動は動きが小さいのと距離方向の変化が大きいのでわかりづらい)という事で七面鳥内で説明が付きました。
これで、「遠くで浮き、射程も出る」弾道の正体が見えたと思えます(代償として至近距離では狙点より弾道が下になるが、実用上問題にならない)。シキノートさんの市乳レーションにもそのような弾道があったと記憶してますので、多分、この理解で正しいのだと思えます。
やはり、一人で考えて行き詰まるときは、周りからのアドバイスが非常に役立ちますね。有り難いです。

二式大型七面鳥

二式大型七面鳥

※コメント返し追記:
つまるところ、「バレルは略水平である」という思い込みが無意識にあって、これが考察の邪魔になっていた&弾道の手前側は、スコープの視野の外かつビデオの望遠でも画角の外なので、実際に目で見えていなくて気付かなかった、という事なのだと思えます。
逆に、シミュレーション通りの弾道でもある、という結果でもあります。
シミュレーション、すごいですね。

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