G&P M120 ハイスピードモーター解説!
はい!どうも!
今日は電動ガンのモーターについてちょっと突っ込んだ話をしたいと思います。上の画像の様に一見、みんな同じモーターで性能も耐久性も変わらない様な感じですが実は中身を検証してみると色々と大違いですよ!
自分は秋葉原に通って30年、、いかがわしいマニアックなお店でパーツを漁ってたりすると知らず知らずに間に色んなマニアなお友達と仲良くなります。その中でも某世界的有名なモーターメーカーの友達もでき、彼が技術開発部のエースなのでモーターでは解らない事がないくらいの知識が手に入ります。自分が作ったモーターの性能評価実験もゴニョゴニョできるので最高のモーターが作れます。モーターの技術を身に着けていくうちにある疑問が出てきます、、、、
「電動ガン用のモーターってどうなってるの?」
、、、素直な疑問ですよね、、、。電動ガンチューナーさん達もモーターはかなりのブラックボックスみたいで謎が多いと思います、、、のでここでは画像付きで具体的に解説していきたいと思います。
では手始めにハイサイクルにカスタムするのにお値段が手ごろなG&P製 M120モーターを分解していこうと思います。
まずはいきなりバラバラ画像から、、、
電動ガン工房 光線銃
http://yamagyo1.wix.com/yamagyo1
因みにこのM120は新品の物を11.1Vのリポで回したら500発くらい撃ったところで壊れたものです。M120はG&Pの銃に入っている標準モーターでノーマル銃に使えば3~4発はサイクルが上がりますよ!
お次はステーターの画像です、、、
赤丸で囲ったのがステーターです。”く”の字に曲がった黒い色したパーツが永久磁石です。
M120はステーターがフェライト磁石です。
モーターのステーターに使われる磁石の種類は多く分けて3種類
フェライト磁石、、、磁力が弱い、値段が安い、EG-1000などがこれ!
サマリウムコバルト磁石、、磁力が強い、値段が高い、サマコバモーターやロネックスA2、A1など(多分)がこれ!
ネオジウム磁石、、、、、磁力が超強い、値段が高い、AIPモーター、DA、エレメントなど海外製カスタムモーターはこれ!
、、、大雑把に言うとこんな感じです。サマリウムコバルトは他の磁石と違ってキュリー値が優秀なので夏場でセミを酷使する人や燃費を気にする人はマルイのサマコバモーターかロネックスA2,A1が良いかとおもいますよ!まあ、ステーターの磁石の種類だけでモーターの性格を判断するは間違いですがサマコバはバランスの良いモーターが出回っているので買って損はないかと、、、。
お次は軸受です。
磁石の奥に見えるのが軸受です。M120はベアリング軸受ですね!贅沢だなぁ~~~!、、、っと思いましたがグリスが駄目ですね、、、、トホホホ、、。中華のモーターでもこのベアリングに良質なグリスを使えば耐久性がかなり違いますよ!
お次はエンドベルです。
モーターカンとこのエンドベルのガタツキは結構あります。地味に重要な部分ですよ!ガタがあると抵抗になりますから耐久性や燃費、性能に地味に響きます。あとブラシもガタがあるとコミュテーターにダメージがいきます。M120のブラシはレイダウン型ブラシです。レイダウン型は疑似的に進角を進めた状態を作ることができるので特に高回転時のトルクの細さは補う事ができます。でも一回転ごとにプラスとマイナスを一瞬ショートさせるのでモーターには悪影響がありますね!、、、電動ガン用のモーターのほとんどはレイダウン型ブラシでシステマとロネックスのモーターはスタンドアップ型のブラシとなります。自分はラジコン用のブラシが使えるのでスタンドアップ型が好きですがラジコン業界はすでにブラシレスモーターに移行しているので良いスタンドアップ型ブラシは手に入らないです。また、ブラシの選別、ブラシスプリングの面圧などでチューニングの技術がもろに出る場所です。
お次は大本命のローターです!
壊れた原因が見て取れます。赤まるで囲った部分がそれです。ローターからPEW線が飛び出てしまっています。この線がステーターに当たってしまって回転を妨げて壊れてしまったんですね!
ローターに関してはとても奥が深いので簡単に説明します(モーターが回転する仕組みはググッてみて下さい)
巷でいうハイスピードモーターは、、、、
①ローターの質量が軽い
②PEW線(ローターに沢山巻いてあるワイヤー)が太くてターン数(巻き数)が少ない
、、、すなわちPEW線を太くして電気を沢山通す!、巻き数を減らしてローターの質量を減らすと質量が小さいローターに大電流なので高回転でローターを回すことができます(ホント大雑把でざっくりな説明です)。
、、、なのでハイスピードモーターのM120は画像の様に太いPEW線でターン数が少ない仕様になっていますね!ちなみにこの逆の仕様にするとトルク型モーターができます。
で、次に一番コストが掛かって職人技が問われる処理があります。
”ローターのバランス取り”
、、、です!、、、究極の性能を出すのにとても大切なファクターで市販品でほぼこのバランス取りをちゃんと行っているモーターはないです。青色で囲った部分がM120におけるバランス取りだと思いますがこの処理は通常ではあり得ません!かなり大雑把と言いますか、、、適当ですね、、、まあ値段を考えると仕方ないのですかね、、。
因みに市販品のバランス取りは基本”ポッティング処理”でバランス取りを行っています(たぶん中華では、、、、です)。
で、、、、ポッティング処理と言いますと下の画像で確認できます。電動ガンのバランス取りを行っているローターの比較画像です。
赤丸部分の水色のガムみたいなのが”ポッティング処理”です。
なぜバランス取りを行わなければいけないかというとローターにはPEW線が画像の様に沢山巻いてあります。巻いてあるPEW線の質量が不安定なのでローター質量にバラつきが出ます。ローターは高速で回転するので質量のバラツキがありますと回転が不安定になり回らなくなってしまいます。この質量のバランスを整えるためにポッティング処理を行って質量を均一にします。そうするとバランスが取れて良く回るローターができるのです。
自分がバランス取りをするときはポッティングを行いません。もっと耐久性があって完璧にバランスが取れるようにある処理を行います。とても根気が要りますし、技術もいりますが完璧に決まれば高回転で高耐久性、低燃費のモーターができるので手が抜けない重要なファクターですね。
これはローターにPEW線を巻き付ける時も同様の技術が要りますがここでは割愛します。
因みに市販のモーターは殆ど”機械巻き”と言って機械でローターにPEW線を巻きますのでローターの質量バランスが崩れやすいです。ここに自作モーター市販モーターの性能に大きな差が生まれてしまいます。(現にM120はPEW線の巻きが甘かったのでローターからほぐれてしまって壊れましたしね!)
お次はコミュテーターです。
バックリ、、と裂けてしまっています。ここで正常なコミュテーターと比べてみましょう!
右のコミュテーターは正常なものです。左のコミュは熱で変形してしまっています。
何故、こうなったかはこのM120のコミュテーターの個体がたまたま不良品だったのでこうなったとは断言できないですが明らかに11.1Vの電圧の熱に耐えられずに内部が溶けてしまいこうなったと考えられます。モーターの種類によってコミュテーターの作りというか品質には大きな差がありますので高電圧でモーターを酷使するカスタムガンを作るにはモーターの選別は慎重にならないといけないですね!、、、特に中華のモーターはコミュの耐久性とローターに流れる電圧&電流のバランスが取れていないものが多いので苦労します。また、マルイ(サガミ製)のモーターはどのモーターも自分が中身を開けて考察しましたが11.1Vは使わない方が良いと思いました(あくまで個人の意見です)。
、、、とまあ簡単にご説明しましたがモーターと言ってもとても奥が深く色んなモーターがあります。
たまには壊れたモーターを分解してみて検証してみるのも理想のカスタムの近道になるかもしれませんよ!
今回は色々端折って説明しましたが他にもコミュとPEW線の”カシメ処理”やローターとステーターとの”ギャップクリアランス”、、、絶縁シムとシャフトの遊びの調整、、、、等等、、極めれば最高のモーターが出来上がります。是非とも自作モーターを作ることをお勧めします!
PS「サバスは苦手なフィールドでした、、、でも、面白いフィールドですよ!」
、、、カスタムも良いけどもサバゲのスキルも上達しないとね!!、、、、
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コメント 18
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rokudou (ペヤング)
秋葉原でいかがわしいお店って
あのピンクの館「ラブメルシー」ですか?笑(要18禁)
スザンヌみさき
素人で意味がわからないことだらけですが、なんとなくモーターの仕組みが分かってとても興味深く読ませて頂きました。
気づいたら最後まで読んでて、これはとてもおもしろかったです!
ありがとうございます。
とらのすけ
私敵に、非常にタイムリーに参考になる記事でした。
私は今、ショップのジャンクコーナーで買った、300円の多分中華モーターを使っているのですが、セミの切れをもっと「良くしたいな」と思い、EG-1000にしようかな?と思っていました。
サマコバの方が、セミに適しているのですね。
体感的にもずいぶんと差が有るのですかね?
自作モーター、何時かは挑戦してみたいです。