さて。
 発光不良のジャンクとして入手したNewフルオートトレーサーですが。
 割と簡単に治っちゃいました。

KC4D0884_1500.jpg

 とりあえず、分解してみます。
 ガワを外し、「分解禁止!」のシールテープを丁寧にはがし、片側3本ずつ、計6本のビスを抜き、カバーを外します。

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 そして、よく見てみます。
 マルイのトレーサーはLEDではなく、ストロボによる発光なわけです。なるほど、スイッチ入れっぱなしだと4時間ほどで電池が上がるってのはこのせいですね、常にコンデンサに充電し続けるアナログ回路なわけです。昨今はパワー系LEDがかなりお求めやすくなってますが、Newとはいえそこそこ設計の古いトレーサーですから、コスト的にもストロボ発光が採用されたのはむべなるかな。なのですが……

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 ……むむ?何かがおかしいですよ?
 ストロボ管は、両端に電圧をかければ発光するというものではなく、逆に両端に高電圧をかけた状態で、内部のキセノンガスをイオン化させて抵抗値(インピーダンス)を下げることで一瞬で放電発光させる、のだそうです。
 で、そのイオン化のトリガとなるのが、そのものズバリのトリガコイルによる高電圧の印加であって、ストロボ管にくっついている第三の電極がそれです。それなのですが……

KC4D0887_1500.jpg

 ……トリガコイルと電極、半田がはがれてますよ?
 一応、他の人が分解した写真をネットで探して(殆どありませんでした、そりゃ健康なトレーサー分解する人は滅多にいませんな)、ここがはがれているのはどう考えてもおかしいことを確認しました。
 であれば、修理は簡単。ここの半田付けを直してやれば良い。

KC4D0888_1500.jpg

 これこのとおり。
 銅板の弾力があるので工具で押さえつけながらの半田付けでしたが、してみると、ここの半田が元々はがれかけてた初期不良であって、前のオーナーの手元や、七面鳥が先日確認した時は、たまたま導通が保たれていてたまたま発光したものと思われます(もしかしたら、前オーナーは、センサーの赤LEDを「弱い発光」と取り違えたのかも知れませんが)。
 それでは、組み直して発光テストしてみます。

 ……よし。
 これにて修理完了。
 思ったより単純な故障で助かりました。
 これで、新品同様のNewフルオートトレーサーが\2200JPYならお得でした。
 推理と修理も楽しめましたしね。

DSC09604_1500.jpg

追記:
 自宅で試射してみました。
 部屋の電気消して、階段の明かり取りだけの薄暗い状況で撮ってるのですが……
 一応、撮影データです。写真やってないと殆ど暗号だと思いますが。
NEX-5+SEL55210 210mm マニュアル iso100 f6.5 1sec セルフタイマー2秒(Image Data Converter Ver. 5で明るさ+1.0 コントラスト+100補正)
 セルフタイマーでシャッター切れる音聞いてからの発砲ですが、VSR-10リアルショックの振動が、フォアグリップ→台座→カメラと伝達して画像がぶれてるみたいです(笑)
 で、写真だと発光がうまく撮れてないですね……肉眼だとハッキリクッキリ光ってるのですが。大体発射から3秒くらいは光ってましたかね。
 10発撃って全弾ちゃんと光りましたから、修理は成功と言うことで。

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コメント 6

これ以上ありません。

スマイリー

スマイリー

おお、ちゃんと仕組みを理解しての修理、素晴らしい。

新型(といっても発売から大分経ちますが)マルイのトレーサーが2200円で手に入ったのは、知識あってのものですね。

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