プロフィールのメインアームにMP5A4 HGを登録していますが、実際は中古で手に入れたMP5A4 NAVYだったりします。
MP5A4 NAVYはHG化される前の旧モデルからモーターなど一部をHG仕様に換えた1996年の過渡的な限定モデルです。

OHでばらした際にメカボックスが開けられた形跡がなかったので、ほとんどメンテもされずに使われてきたようです。さすがに17年も前の製品ですので、いろいろヘタリが出ていたので初速が不安定だったり、弾道が不安定だったりとメンテナンスが必要な状態でした。
電動ガンの知識がない状態から6か月かけて何とかメンテナンスが完了しました。

メンテナンスの経緯は以下のとおり。

1.電装系の換装と再グリスアップ
スイッチにFETを組み込んでコネクタをミニTコネクタに変更。
バッテリ、配線材は特に変えていないので性能的には変化なし。
メカボックスを開けたついでにすべてのグリスを中性洗剤で洗い流して再塗布。

2.ベベルギアの交換
セミオートでのエラーが気になったので調べてみたら、古いベベルギアと今のベベルギア(89式以降?)では巻き戻り防止の爪数が2つと4つとで増えているらしいので交換。
中途半端なトリガー操作でもエラーが起きにくくなったような気がする(厳密な比較したわけではないけど)。

3.ホップアップパッキンの交換
経年劣化で一番影響が出そうな部品としてホップアップパッキンをマルイ純正の新品に交換。
これで弾道がだいぶ安定。ただ威力があまりにも弱くて弾道がヘロヘロ。屋外だと20mほどの距離で着弾地点で数mは横風で流される有様。

4.スプリングの交換とピストンヘッド改造
純正のピストンに穴をあけて後方吸気に改造して、スプリングをライラクスMS90に変更。
屋内では初速、弾道ともに安定したものの初速は遅いまま(0.5Jくらい)。

5.再洗浄、気密の確認、ノズル交換、インナーバレルの隙間埋め
洗浄してしばらく使用したのでパーツクリーナーを使用して再洗浄とグリスアップ。ピストン、シリンダ、ノズルの気密も確認。
ピストンヘッドの改造がうまくいっていなかったらしく若干の気密漏れがあった。純正の通常ピストンヘッドに戻して、ノズルもSHS製のシーリングノズルに変更。
シリンダヘッドにもシーリングテープを巻いて気密向上。
インナーバレルとアウターバレルの間の隙間を埋めるため、パーマセルをインナーバレルに巻いた。
ここでトラブルが発生。発射不良が多発して初速も激減、使用不可状態に。

6.再グリスアップ、スプリング交換、ノズル交換
新しく改造ピストンヘッドを作成し、ピストン周りの再グリスアップを行った。
スプリングは仲間からの評判を聞いて、アングル製とバトン製が良好と聞いたのでバトン製の90スプリングに変更。
これでも発射不良が改善されなかったので、ノズルを確認したところ純正ノズルに比べてノズル長が明らかに短かったので純正ノズルに戻す。
これで初速は90m/sec.ほどで安定、発射不良も解消された。

弾道の安定については今度どこかのシューティングレンジで確認してこよう。
6か月かかってやっと安定した性能になりそうです。

最終的なレシピ。
・グリスの洗浄と再グリスアップ(期間を置いて2回)
・ホップアップパッキンセットを純正新品に交換
・ベベルギアを純正の最新型に交換
・シリンダヘッドにシーリングテープ巻きつけ
・純正ピストンヘッドに穴をあけて後方吸気に改造
・スイッチへのFET組み込み
・コネクタをミニTコネクタに交換
・アルミ製アウターバレル組み込み(RAS取り付けのついで)
・インナーバレルにテープを巻いて隙間埋め
・スプリングをバトン製90スプリングに交換

結局カスタムパーツらしいカスタムパーツはスプリングだけ。
いかに組み立てスキルが大事か思い知った。
今後の予定はLipo導入のタイミングでバッテリーとモーターの間の線材の交換。
セミオートのレスポンスを向上させるにはLipo化の他に何したらいいだろう? 大人しくピストン位置制御した方がいいかな……。

余談:
スプリングをバトン製90スプリングに交換する前にカッとなってバトン製110スプリングに交換したら、えらい初速が出てしまってモーターとバッテリーへの負荷もかなり高くなってしまった(すこし試射してるだけで結構発熱してた)。
MP5の229mm純正インナーバレルでも90スプリングで十分初速出るので110スプリングとか普通にチューニングする限り使うことないな、学習した。

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コメント 6

Tコネクタおいしいです

Tコネクタおいしいです

はじめまして。

スプリング交換はしたものの、基本的には純正部品の交換とグリスアップで17年前の製品でも性能を取り戻せました。メンテ大切ですね。

低温によるグリスの硬化で初速が落ちるというのはシリンダ内のグリスが粘ってピストンの前進が遅くなるということですよね。
なるほど確かに温度変化は特に意識していなかったです。冬になって変化が出てきたらまた調整に励んでみます。

やっぱりラジコン用のバッテリーが良いのですね。
バッテリーの特性見てると同等品でもラジコン用の方が安く種類も豊富だったのでLipo導入時にはラジコン用を使用する予定でした。とはいえ基本はトルク=電流なのであんまり入力電流が大きくなると、今回110スプリング入れた時みたいにモーターの負荷が上がってしまいそうなのでバッテリー選びでも試行錯誤しそうです。
この点ラージバッテリーサイズが収納できるMP5A4は都合がいいです。

ただメンテで何度も完全分解していると分解しやすい構造の電動ガンが欲しくなりますね……ver.3とかICSの分割メカボとか。

またよろしくお願いします。

伍拾参式ヘタレ

伍拾参式ヘタレ

そういえばモーターもブラシの消耗やスプリングのヘタリによるテンション低下でトルクは落ちてきますね。
イーグル模型が自社製モーター(ハマーシリーズ/EG1000の互換モーターです)のメンテナンスパーツとしてブラシやスプリングを販売しているので、消耗の度合いが大きいようでしたら交換してみるのも手です。

高電圧をブチ込んでサイクルを上げる方もいますが、ギヤの軸受けは気にするくせにモーターの軸受けを気にする人はあまりいないんですよね。
気になるようでしたら田宮のメタルオイル(1000円くらいで買えると思います)をたまに差してやるといいかもしれません。各社発売しているラジコン用オイルの中では粘度は比較的高めですが油膜が強いので、トルク重視の特性でたまにしか分解整備をしない電動ガンにはちょうどいいと思います。

Tコネクタおいしいです

Tコネクタおいしいです

お、これはありがたい情報です。
モーターのメンテナンスパーツの情報はエアガン用としては皆無ですからね……。
私はセミオート戦スキーなので、サイクルの向上はあまり意識してないんですが長く使ってると結局摩耗してくる部分なのでメンテできるのは安心ですね。

しかし自分のカスタムの方向性を見つめ直すとピストン位置制御組み込むのが一番の近道な気がしてきました……。

伍拾参式ヘタレ

伍拾参式ヘタレ

イーグルは一応一通りのことはできる程度に出してますね。モーターのメンテ機材。
ハマーシリーズは整備を前提として分解可能な構造になってます。
真面目にメンテするならコミュ研機(摩耗した整流子を均したり汚れを削り取ったりする、モーターメンテ用の旋盤)はあると便利ですね。イーグルのモッドファッションにはお世話になってます。

ピストン位置制御ってどう制御しているものなんですか?
停止をタイマー組んで遅延させればいいんですかね?

Tコネクタおいしいです

Tコネクタおいしいです

やっぱり本格的に整備しようと思うとラジコン用品から揃えないとですね。
まあ手間とのトレードオフ考えると程度によっては部品交換の方が良いケースもありそうですが。

ピストン位置制御はセクタギアに磁石を埋め込んで磁気センサで回転の検出を行い、マイコンで電源制御をするつもりです。
埋め込む磁石は1個で、磁気検知からの遅延時間を設定して電源供給を止める仕組みにしようと思います。これならわざわざマイコン使うほどでもないような気もしますけれど。

バネのへたり防止のためにピストン前進を解除するスイッチとか、セミオートのときだけ制御してフルオートのときは制御しないでおこうとか考えてはいますが、制御切り替えの仕組みを考えるのが面倒ですね……。

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