美しいほどにストイックなフィールド！ | ぶらっとサバゲフィールド探訪 | マガジン

サバゲーメッカである千葉県印西市から、北西部に上がった白井市に「BBゲームフィールド　Rock Hill」はある。
取材させていただいた日は、少々雲行きが怪しく風の強い昼下がり。
外観は他の屋外フィールドと同じくネットで覆われたフィールドと約100台収納可能な広大な駐車場を完備。

しかし、取材日の天候のせいか、他とは異なる独特の空気感が拭い去れない様子。はてさて、このピリリとした心地よい緊張感は何なのか‥？

「サバゲ〇〇」を大きく屋号として用いているサバゲーフィールド数あれど、「BBゲームフィールド」を表記にしているところは数少ない。
その違いと拘りは何か？
サバゲー業界に足を踏み入れたばかりの若輩の私には見当がつかないまま、撮影の準備に取り掛かり、フィールドの入口へ向かった。
ゲートのネットを開きフィールドを見渡し、はじめてぴりっとした緊張感の正体に納得がいった。

すごくシンプルなのだ。
市街地系と聞いてはいたが‥！

そして、マップを見直してまた衝撃を受ける。
まるで、将棋やチェスのシンプルボードゲームの態様なのだ。
バリケードの配列が、Aフィールド、Bフィールドにまたがって均等に中央部から左右対称に広がっている。
中心部から放射状に広がるバリケードの規則性は、無機質なバリケード群に何かしらの意味をもたせているかの如く、機能的で非常に美しく感じられた。

風景やストーリー要素を取り入れたドラマチックなフィールドとは異なり、「Rock Hill」はまさに、ゲーム、もっと言えば対人シューティングゲームにのみ焦点を当てたフィールド。

当たり前のことだが、森林系と異なり見渡しはよい。おまけに、シンボル的なアイテム、小屋などもない。シンプルな木製バリケードとドラム缶だけなのだが、フィールドまわりには高い建物もないため、陽が射せば影の動きで確実に相手に動きを読まれてしまう。また、撃つ際にも、風が強けば弾が流れてしまうことも計算して撃たなければならない。
無駄を削ぎ落とした、まさに本物の緊張感を味わえるストイックな訓練場の趣だ。

店長の笹岡氏にフィールドの特徴を聞いてみた。

—「当フィールドはすごくシンプルな仕上がりとなっています。
実は、私は元陸上自衛隊空挺団に在籍していたんです。
私たちが利用していた訓練場はまさにシンプルな内容で構成されていて、サバゲー場とは全く異なるものなんですよ。
なので、そこで培った経験を活かしたフィールドを製作しました。
むしろ、ロケーションを楽しみながら、というエンタテインメント性ではなく、いかに人を撃ち、撃たれないようにするかというゲームに徹した内容をフィールドに盛り込んでいます」ー

ー「フィールド名も「サバゲ〇〇」と表記しないで「BBゲームフィールド」としたのも、サバゲーの核になる頭脳を使うゲーム展開を味わってもらいたいんですよ」—

かなり上級者向きなフィールドのような気がするんですが‥？

—「いや、むしろ初心者の方には是非ここからスタートしてもらったいたいですね。サバゲーにおける効果的な基本動作などを会得できると思います」ー

—「経験談になりますが、私が現役自衛官の頃の訓練は弾を撃っても、撃たれることはないんだと気づいたんですよ。つまり撃たれる訓練はやっていないんですよ。当然ですが（笑）
しかし、サバゲーは撃たれるでしょ？おまけにBB弾ってヒットすると痛い！
格闘訓練では痛い思いをしますから、痛い→恐怖というのを体で覚えるんですけどね。この痛さを覚えるのは大事なんですよ。初心者の方にはまず撃たれることを体感してもらいたいんですよ。一度撃たれると、撃たれたくないって気持ちが強くなりますからね。
この恐怖感が疑似体験できるっていうのもサバゲーの醍醐味です。恐怖感を感じつつも五感を駆使して突破していく。バリケードがシンプルなのも、そういった恐怖に置かれた時にどのような動作でかわしていくかを楽しんでもらいたいからなんです」—