メインアーム: モーゼルM712 SDバレル 6mm
月下の策士 -サバゲにあってFPSにないものⅡ-
今回のR25記事で棋士・森内俊之氏のインタビューがあったのだが、読んでいてサバゲに通じるものが多数あったので、軽く紹介してみたい。
そもそも、サバゲも将棋も年齢差や性別関係なく同等の技量があれば白熱の死闘が展開出来るという点は共通なことである。
氏も18才のときに、65才で日本将棋連盟会長の大山康晴と対戦したという。
・・・このギャップ感、大山康晴を知らないとわからないだろうなあ。
すごい事なんですよ!
「すべての将棋に勝つことができない。ならば、負けをいかに有効に活用しそこから何を学ぶか」
サバゲもそうだね。実力差のあるチームとの対戦でも、油断すれば足下を掬われる事は多々ある。
自分達が強い相手と当たる時でいうと、そこから何を学ぶことが出来るかが次以降に生きてくる。
我々でも、1日やって全敗って対戦がある。
その日はそうだったけど、ただ漫然と同じ様に負けを繰り返していたわけじゃなくその都度「何が敗因だったか」「どうしたら良かったのか」を真剣に考えつつ次のゲームに臨んでいたので、その後に別のところに行った時には皆が見違える程に練度が上がっていた。
今、我がチームで中核となっているメンバーの多くはこれを経験している。
「”今、自分がどういうふうにするべきか”という事が大半です。非常に強い相手と戦ったり、興味深い局面が続いていくと、(中略)自分が正しいと思う方法を選んでいって、その結果が勝ちに繋がるのがベストだと思っています」
だいたいいつも、開始前に大筋の作戦は立てるのだが、いざ始まってしまうと自分のいるエリア・進路上で何が起きるかの対処が優先となる。平たく言ってしまえばどこに何人敵がいて、その一方で友軍はどんなメンツが何人いるのか、それは始まってみないとわからない事が大半だ。その中で瞬間瞬間のベストを考え、それを実行していく。
それは例えば、敵或いは味方が1人消えた時点で変化する事もある。
だから、「現時点では何がベストか」を常に意識しそれを遅滞なく積み重ねていった先に、結果という形で現れてくる。
それがフラッグ奪取になったり、何とか生き残って引き分けに終わったりというアウトプットで見える訳だ。
「盤面を見たときに”ここが急所だ!”と即座に見分けて対応できる目を養いたいですね」
これはサバゲでは2種類有ると思う。
1つは、地形地勢的な急所。
「ここを押さえるとすごく有利」「ここを取られるとどうしようもなくなる」ってポイントが存在する。それを如何に早く見抜き、自陣営に有利に活用出来るか。
遠征ゲーム等で、そのフィールドをホームグラウンドにしているチームが有利なのは主にこの点だからね。
もう1つは、状況的に急所が出来る時がある。例えばフラッグへ向かう重要ルートなのに誰もいない真空地帯になっているとか、普段は一部のメンバーが迂回に使うだけのエリアに何を間違ったか主力が集結、とか。
こういった、ある種「水モノ」的な急所を上手に突く事が出来ると、地形に頼っただけとか銃の性能におんぶした等と言われることなく、誰が見ても上級者的な勝ち方が出来るからだ。
「”いいもの”を身続ける事で真贋が分かるようになる骨董の”目利き”のように、(中略)いい将棋に数多く触れることが大事なのかもしれません」
これもすごくわかる。
単にゲーム数をこなすだけ、参加数だけ多いだけじゃなくて、「質の高いゲーム」をどれだけ経験出来たかがその人のプレースタイル形成にとても良い影響を与えると思う。
だからこそ、上手い相手に胸を借りて遊ばせてもらう事って大事なのだ。
何度も言っている事だが、ベテランだらけのゲームではゾンビ問題なんて皆無だからね。
ただ、それも「良質なゲーム」を感じ取る感性を有している事が必要ではあるが。
「とくに人がどう動くかはまったく不透明ですよね。いくら考えても状況によって先行きはグッと変わります。(中略)具体的なことはその都度その都度、微調整していく。将棋でも同じです。いかに先が読めても、相手が予想通りに来ることなんて、まずないですから」
これもサバゲで「作戦」を立てる人なら良く感じる事だと思う。
極端な例を挙げるなら、こちら(友軍)の動きは完全に統制する事も出来る。しかし敵軍の動きはその時になってみないとわからない。
いや、友軍だって決めた通りに動かないなんてのは良くある事だ。
だから、作戦を立てたからって必ず勝てる訳ではない。
でも、必勝はないから立てなくても良いかと言えば、それはやはり無いよりはあった方が間違いなく、良い。
だから、「作戦通りいかないじゃないか」と作戦立案者を責めるのは筋違いだと思う。
特攻野郎Aチームだってしばしば作戦変更を余儀なくされてるじゃないか(笑)。
要はそれが生じた時に、如何に変化に応じた有効な手を打っていけるか、なのである。
そういった意味で、サバゲはテッポー担いで走り回る点ではスポーツ的でもあるが、戦略戦術を駆使する点は頭脳ゲームの要素も多分にある。
この奥の深さが(そして、どっちかだけでもそれなりに遊べる事が)我が輩にとってのサバゲの魅力なのである。
人参解放軍公式HP「人参日報」
http://hw001.wh.qit.ne.jp/broomhandle/
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コメント 1
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流れ者
http://www.kotaku.jp/2009/11/gamer_troops.html
米軍がガチのFPSゲーマーをスカウトしたところ、結果は海猿ブームで
海上保安庁に入った若者が「船の上では携帯が使えないから辞める」
「肉体的にも精神的にも厳しすぎるから辞める」などと似たような
結果だったのを思い出しました。
如何せん、狭い画面に集中するのと広範囲を五感を駆使する、快適な環境で
キーボードでやるのと過酷な環境下で重い装備を身につけて行動するのでは
全く違いますから仕方ないですけども。