何か最近ガンスミスめいたネタが続く我輩だが、今回は我が軍同志のICS製M3グリースガンを修理した。
いや、修理というよりチューンというかカスタムというか、ちょっとプラスアルファの要素も入っている。

本件、元々がこのグリースガンは買って持ってきた初日のゲームで快調に試射していたさあ実戦だ、という時に突然ウンともスンとも言わなくなった。
現地でフィールドストリッピングして確認したところ、モーターの動作不良と判明。接触不良でもなく、本当に動いたり動かなかったりという症状が出た(最終的に、バッテリーとモーターを直付けしたので他の要素は全く無い)。
で、その同志は後日モーターだけ買って来たのだがギアの径が合わなかったりして、どうにかこうにかしようと自分でバラしているうちにブッ飛んでしまい、完全分解状態に。しかもパーツも幾つか欠損したが何がどうなくなったのかもわからないという状態。

「先日のM3、最近見ないね。直ったの?」
「いや、実はですね・・・」

と言うゲーム時の雑談で現状を知った私は、試射時の高性能っぷりを見ていただけにこのままお蔵入りしてしまうのはどうにも惜しいと思った。
そこで、ダメモトで良ければ見てみるよ、と声をかけたのだが・・・

「いやあ、アレは無理ッス」
「何故?」
「壊れただけでなく、買ってきたモーターも合いませんでしたし、パーツも幾つか無くしてしまいました。今はもうギア一枚・バネ1個までバラバラで何がどうだかわからない状態になってます。かつてCA870を完全分解状態で渡され、フィールドで組み上げてその日のゲームで使用させたという伝説をお持ちの高名な同志主席の手腕を持ってしてもアレを弄るのは時間の無駄に終わるだけかと・・・」
「んー、何のかんの言っても所詮電動ガンでしょ。パーツについては、そうだねー何か潰しても良い電動メカボックスが有ればそこから流用とかしてやってみるよ。」
「それでは、首が折れ他にも不具合があり眠ったままのM1A1トンプソンがありますので、それで如何でしょう」
「うむ、やってみよう」

かくして先日のゲームで2丁を預かって、M3の復活に1週間程かけた。
確かにねじ山もナメちゃってるわパーツは欠損してるわ、しかもセーフティとか独自構造なので一回メカボ組んじゃってから気が付いてまた分解して組み込みなおす等、いろいろとあった。
なんたって自分が分解してないからどのパーツがどことからんでどうなってるかわからない状態で、手探りしながらの修理だからね。そもそも私は●ルイ電動自体使わないんだから、メカ系もそんなに詳しい訳じゃないし。

なるべくトンプソンのお世話にならない様にしたいとは思ったのだが、ダメでした。細かいバネとかシムとか失われていたので、その辺を取り出す為に犠牲になってもらいましたとさ。
そもそも、スプリングの絶対数が不足していたのでメカボのパーツだけじゃなくコッキングハンドル用のスプリング切ってまげて加工して、で2本作ったよ。それもモトのサイズとか分からないから試行錯誤で動作させては長さを決めて行ったりして。もうホントにM3の肥やしとなって行きました。

個人的にはトンプソンの方が漢気あって良いじゃないかと思うのだが、クライアントの要望がM3修理だからね。
それにトンプソンでは直してもまた首が折れちゃうんじゃあ直し甲斐がない。
車だったらリコールもんだと思うんだけどねえ、マル●さん!

かくして、そんな尊い犠牲の上にM3グリースガンは復活を遂げた。
直ってみると、やっぱ良いねえこのサイズ。MP40と同じレイアウト(まあ基本設計時に参考にしたらしいから当然だが)は自然と構える事が出来るし、マガジンは430連と1本でも十分強力な火力を有している。
長さ的にはたぶんAK47Uとかといい勝負なんじゃないか?これなら戦車兵が自衛用にしたのも納得だ。

そして、やはり様々な映画の1シーンが想起される。
我輩は映画館まで見に行った、あの千葉真一の「戦国自衛隊」が一番だが、次に来るのはかの「カ・イ・カ・ン・・・」で一世を風靡しした薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」だ。

決してカッコ良い銃だとは思っていなかったが、今こうして手中にあると、それはそれで頼もしく感じる。
ステンMk2もそうなんだが、シンプルさ故の魅力ってのもあるんだよね。
私が好きな銃は工芸品に近い加工を感じさせてくれる、モーゼルとかルガーとかな訳でそれは手の込んだ1つ1つのパーツに触れるにつけ、弄っていてムフフなのだが、こっちの銃は「道具」としての道を極めた感があり、それがサバゲなりで実戦に投入し泥や埃にまみれてもなお敵を倒し続けるという信頼性を感じさせるからだ。
「M4だぁ?G36だぁ?だから何!こちとらプレスと溶接だけで出来てるんじゃあワレ!」
的な迫力だね。

こういった銃で少数精鋭の人参解放軍将兵が冬戦争「キラー・ヒルの戦い」よろしく、雲霞の如く寄せ来る現用米兵共をバタバタと倒して戦況をひっくり返す。

これが私の夢だ。

そして、夢は実現する。
そう、M3が蘇生した如く。

人参解放軍公式HP「人参日報」
http://hw001.wh.qit.ne.jp/broomhandle

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コメント 3

これ以上ありません。

斜陽のБеркут

斜陽のБеркут

お疲れ様です。何とグリースガンですか…… M3然りMP40然り、小官も運用側の合理主義を体現したというか、生産性重視の無骨な第二世代短機関銃には心惹かれるものがあります。大戦を通じて世界に拡散され多くの紛争で使用された堅実さがそれを物語っていますね。

そして東ならポーランド(PM-63、PM-84)、チェコスロバキア(Vz. 25シリーズ、スコーピオン)製SMG、西であればこれも似たコンセプトのUzi、M10と、より機能性を高めながらこの系譜を受け継いでいった、如何にも穢れ仕事向けの特殊部隊用短機に至っては涎モノですよ…

Киловат

Киловат

グリースガン!

自分の師匠ともいえる方に先日幻のグリースガンが手に入ったとゆーことなので見せてもらいました

MGCのゼンマイ式グリースガンです!

その方はエアガンではなくモデルガンを集めてる方のなで実銃の話をすると凄いですねww

紅中兵

紅中兵

Беркут 305さん、Киловатさん
まあ、私はPpsh-41を使っている訳ですが、2次戦頃の銃ってロマンがあるんですよね。
「木と鉄」という共通コンセプトこそ、銃の基本じゃないかと思う次第。

PM-63は、私の好きな金属加工ガツガツ系の銃の1つですがかつてタナカが出したブローバックガスガン1種しかないという幻のモデル。
今こそ電動コンパクトで再現してくれたら・・・とか言ってるのは私の周辺だけ?

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